皆さん、こんにちは。最近暑くなってきましたね。梅雨が明けたら、夏本番というところでしょうか。
私のイギリスへの出発まであと2週間を切りました。早いものだなと思いつつ、まだ実感が湧きません。出発前に、友人から勧められたり、自ら本屋さんで見つけた本があるので、ご紹介したいと思います。
テムズとともに 英国の二年間
徳仁親王『テムズとともに 英国の二年間』、紀伊國屋書店、2023年。
天皇陛下が書かれているこちらの本は、非常に有名だと思います。1993年に学習院から刊行されたものに、後書きを付け加えて、復刊したそうです。
天皇陛下の1983年から約2年間過ごされたオックスフォード大学での生活が綴られています。
留学中は、研究の内容だけでなく、沢山の方とお会いになられたり、ヨーロッパの国々を旅して廻られたり、濃い二年間の内容が鮮やかに描かれています。
私は、今までイギリスの大学の歴史や、文化に対して、知識を持ち合わせていなかったですが、この本を読むことで、歴史的な背景や文化を留学前にあらかじめ理解するのに役立ちました。
そして、「留学を満喫することはこういうことだ」みたいな部分を知れたかなと思います。私は想像力に乏しく、何より心配性な人間です。私はイギリスに来ているのに、他の国に旅しようとか、学外の人と交流しようとかそういう発想には至らないのですが、天皇陛下はスキーに行ったり、留学帰りにアメリカを訪問したり、幅広いコミュニティに参加したりと自由に楽しく過ごされていました。
私ももっと、心をオープンにして、思いついたままに行動してみることも、自分の成長の上で大事だなと感じました。真面目すぎるが故に、考えが固まっていってしまうのも非常にもったいないですね。
イギリスでは、もっとアクティブで、スポンジのように色々なことを吸収していくつもりです。
赤と青のガウン オックスフォード留学記
彬子女王『赤と青のガウン オックスフォード留学記』、PHP文庫、2024年。
こちらの本は、彬子女王がオックスフォード大学に留学されていた5年間が綴られています。この本は、もともと2015年に出版された本を、2023年に話題になったことで、文庫本化し、復刊されたとの事だそうです。
ちなみに、私が購入した時には、第七刷であり、文庫本化からわずか2ヶ月ほどで重版され続けているようです。まさに今話題の本ですね。
私が購入したきっかけも、友達に勧められて、ぜひ留学に持っていくべきだとの進言をいただき、本屋さんへ駆け込みました。そして、わずか2日で読んでしまったので、私には必要な本だったのかもしれないです。
私がこの本がいいと思ったのは、平易な文章で、等身大の20代の女性の目線で留学の苦労話を書かれており、非常に共感できたからです。彬子女王のありのままの姿で、辛かった時の心境とどう乗り越えたかについて書かれているから、「私もこうしたら辛いこと乗り越えられるのかな」とか、「もっと頑張ろう」と鼓舞してくれるような本でした。
初めは修士の学位を目指して留学したのに、博士を目指したらどうだという先生の意見を聞き入れて、やってみようとするバイタリティは私には真似できないだろうなと思います。多分5年間も留学して、学位のために努力し続けるのは、私だったら気がおかしくなりそうで絶対やらないだろうと思います。本当にオックスフォード大学で彬子女王がなされたことは、素晴らしいです。
留学記でここまで細かに自分の体験を書いてくれているものは稀有だと思うので、これから留学したいと思う人には、必読です。
月と六ペンス
サマセット・モーム(金原瑞人訳)『月と六ペンス』、新潮文庫、2014年。
こちらの本は、ロンドンで裕福に暮らしていた男が、仕事や家族を捨てて、タヒチで画家として人生をやり直すという、天才画家の生涯を描いたお話です。
この本は、私の人生を変えてくれた本で、私にとって、とても大切な本です。
普通に生きている人々にとっては、主人公の行為自体、考えられないことかもしれないし、主人公は気が狂ったと思ってしまうかもしれないですが、物の見方を変えてみると、違った解釈ができます。
主人公の自分の欲望に忠実で、本能のままに生きていて、何も縛られずに生きる生き方は、現代人からしてみれば、非常に羨ましい生き方ではないでしょうか。
私にとって、主人公チャールズ・ストリックランドの自分のやりたいことに向かって突き進む姿は、常識や体裁に捉われていた自分自身にとって、鎧を脱ぎ捨てるいいきっかけになりました。
幸せとは何か、人間の本質とは何かを心理学の本や哲学書を読んだりして考えていくうちに、私はこの本の主人公のように、100%自分のやりたいことのために全力で生きるという事が、自分の中の幸せなんだと考えるようになってきました。
現代は、個が主となる世界になってきています。出る杭は打たれることを厭わず、自分自身の信念や美徳を貫いていけば、誰もが花咲く事ができるでしょう。